空き家問題に対する具体的な対策

空き家の所有者の方、空き家となりうる物件をお持ちの方が取れる具体的な対策の一部についてご説明いたします。

 

空き家の管理

空き家を所有しているけれども、すぐに処分できない事情があったり、買い手や借り手が長期間見つからない場合は特定空家に認定されないために、きちんと管理する必要があります。

管理会社へ委託する
不動産会社、NPO法人、警備会社、空き家管理の専門会社、などが空き家の管理サービスを事業として行っています。各社ともサービス内容は様々ですが、見回りのみのサービスだったり、屋外の掃除や郵便物管理などのオプションや屋内の換気、通水、雨漏り確認などのサービスがあります。

親族などと使用貸借契約を結ぶ
「親族や信用できる知人に無償で物件を貸し、そのかわりに管理してもらう」という方法もあります。この場合は後々のトラブルを回避するために「使用貸借契約書」を取り交わしておくことをお勧めしています。

 

 

不動産活用

民泊施設としての活用や、コインパーキングやトランクルーム等として活用することも考えられます。

民泊施設
民泊新法の施行によって注目が高まりましたが、
・年間180日までの営業制限
・固定資産税の住宅用地特例の適用除外(各自治体の判断によります)
・家主不在型の場合は住宅宿泊管理業者に管理を委託する義務
・居住要件(現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集が行われている家屋、随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋)を満たす必要がある
以上のような制約があるため民泊事業を始めるためのハードルは高いと言えそうです。
しかしながら、一部の国家戦略特区内(東京都では大田区)にて認定を受けられる特区民泊については新法による民泊よりも実用性は高いでしょう。

賃貸する
賃貸物件として貸出すことによって家賃収入が得られ、賃借人が日常管理をしてくれるため建物の老朽化を防ぐ事ができます。
また、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)の「マイホーム借上げ制度」を利用することで安定した家賃収入を得ることもできます。

リフォームする
民泊や賃貸を始める前に住宅をリフォームをする事が考えられます。
自治体によって、住宅リフォームに関する支援制度を利用できます。また、住宅リフォームには様々な融資制度もあります。
さらにリフォームの支援制度として、様々な減税制度があります。
※国交省ホームページへリンク

その他
コストはかかりますが、コインパーキングやトランクルームなど、立地条件やその地域での需要を考えた活用をする方法もあります。需要があれば安定した収入が見込め、地域貢献にもつながります。

 

 

不動産の処分

空き家となっている不動産を売却してしまうのが一番シンプルな解決方法です。最近ではリバースモーゲージという不動産を担保にした生活資金の貸し付け制度もあります。なかなか買い手の見つからない物件については空家バンクの利用や寄付などの手段を取ることも考えられます。

空き家の売却
売却する前に、不動産の権利関係の調査や接道の状況、公簿地籍で売却するか実測地積で売却するか、建物を解体して更地にしてから売るかなど調査検討する必要があります。また、解体する場合は助成金の申請も検討します。
売却前に必要な調査内容はこちら

リバースモーゲージの活用 ※空き家予備軍に対する対策
リバースモーゲージとは不動産を担保にして生活資金の貸付を受ける制度です。借入者の死亡によって契約が終わり、住宅を処分して弁済に充てることを想定しています。都道府県社会福祉協議会が実施している公的なものと、民間の金融機関が実施しているものがあります。
契約時に不動産に根抵当権を設定するため、他の担保権が設定されていると利用ができない可能性が高いです。また、不動産に一定以上の評価額がないと利用はできません。
リバースモーゲージの概要はこちら
抵当権・根抵当権についての説明はこちら

空き家バンクへの登録
空き家バンクとは、空き家の賃貸や売却を希望する所有者が物件情報を登録し、利用希望者に対して物件情報をインターネット等を通して提供する制度です。市町村が「移住・交流の促進による地域活性化」を目的として運営しています。
売却しようとしたけど値段のつかなかった不動産や、借り手が長期間見つからない物件などは活用してみると良いかもしれません。

 

 

相続対策について

将来空き家となりうる不動産の対策や空き家となっている物件を相続した場合の対策です。

遺言
遺言で不動産の相続人を指定することもできます。特定の人に相続させて、その後の管理や処分について託すことができます。
遺言についてはこちら

民事信託の利用
判断能力のある元気なうちに、推定相続人や親族などと信託契約を結ぶことも考えられます。成年後見が始まってしまうと、自由に財産を処分することはできなくなりますが、それに対して、民事信託は自由度の高い契約内容を結ぶことができます。
不動産の所有者(委託者)が管理するひと(受託者)に不動産を託します。受託者はその不動産の利益を受ける人(受益者)のために不動産を管理・運用・処分等します。
不動産を賃貸物件として活用するときなどに有効な手段です。

遺産分割未了の空き家の調査
相続した空き家が遺産分割がされないまま放置されているケースがあります。放置されている空家については特定空家と認定され、不利益を被る可能性がありますので、早めに相続人同士で処分方法を検討すべきです。
「相続人がはっきりしない」「数次相続が発生してしまっている」などの場合は、まず相続人の調査をします。

 

空き家の管理・活用・処分については、様々な方法が考えられます。当事務所では、助成制度の内容や不動産の登記情報や評価額の調査結果を検討して、所有されている空家の活用方法や処分方法として最善のプランを提示させていただきます。
不動産調査を長年経験してきた行政書士が在籍しているため可能なサービスです。まずは行政手続きと不動産調査のプロである当事務所の行政書士へご相談ください。

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