人に危害を加えるおそれのある危険な動物「特定動物」を飼う場合には、動物の種類ごとに、その飼養施設を置いている場所の都道府県知事等の許可を受けなければなりません。
特定動物は、トラ、タカ、ワニなど、哺乳類、鳥類、爬虫類の約650種が対象となりますが、外来生物法で飼養が規制される動物は除外されます。
特定動物のリストは環境省のホームページに掲載されています。
許可の有効期間は、特定動物の種類に応じて、5年を超えない範囲で、都道府県知事等が決定します。
特定動物の許可申請
特定動物を飼養する施設の所在地ごとに、申請書を都道府県知事等に提出して行います。
申請書には、特定動物を飼養する施設の構造や規模を示す図面や写真などの必要書類を添付しなければなりません。
申請書の記載事項は以下の通りです。
- 氏名または名称、住所
- 特定動物の種類及び数
- 飼養または保管の目的
- 特定飼養施設の所在地
- 特定飼養施設の構造および規模
- 特定動物の飼養または保管の方法
- 特定動物の飼養または保管が困難になった場合に取るべき措置
- 特定動物の飼養または保管をすでに行っている場合は、当該特定動物の数、当該特定動物にマイクロチップまたは脚環の装着等をしていること
- 申請者が法人の場合は、役員の氏名・住所
- 特定動物の管理責任者
許可の基準
特定動物の飼養の許可の条件は、次のとおりです。
- 特定動物を飼養する施設の構造・規模、特定動物の飼養・保管の方法、特定動物の飼養や保管が困難になった場合にとりうる措置が、環境省令で定める基準に適合すること
- 申請者が次のいずれにも該当しないこと
・動物愛護法に違反して罰金以上の刑罰を受けた者、その刑罰を受け終えてから、または執行猶予期間を終えてから2年を経過しない者
・特定動物の飼養の許可を取り消されてから2年を経過しない者
・上記いずれかに該当する役員を擁する法人
変更の許可
特定動物を飼養することの許可を得ていても、新たに違う種類の特定動物を飼養する場合や飼養する数・場所等を変更する場合には都道府県知事等の許可を得なければなりません。
特定動物を飼養する者の義務
特定動物を飼養する者は、特定動物の飼養施設の点検義務など動物愛護法31条、施行規則20条で定められた様々な義務を負います。
許可の取消し
特定生物の飼養施設の構造や管理が不適切で許可基準が守られていないなど、次のいずれかに該当する場合は、特定動物の飼養・保管の許可は取り消されます。
- 不正の手段により特定動物飼養者の許可を受けたとき
- 特定飼養施設の構造・規模・特定動物の飼養・保管の方法が、許可基準に適合しなくなったとき
- 別の特定動物の飼養・保管の許可を取り消されてから2年を経過していないとき
- 動物愛護法または動物愛護法に基づく命令や処分に違反したとき
罰則
特定動物飼養者が以下の行為を行った場合には、個人の場合は6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金、法人の場合は5000万円以下の罰金に処せられます。
- 無許可で特定動物を飼養または保管した場合
- 不正の手段で許可を受けた場合
- 許可なく以下の変更をした場合