協議離婚の際に注意すべきこと

民法の763条に協議離婚についての条文があります。
「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」と定められています。裁判手続きによらず、当事者の協議によって離婚が成立することが望ましいですが、慰謝料や財産分与、養育費や年金分割など、決めておくべきことがあります。

 

【離婚届の提出について】

離婚届については夫婦そろって提出する必要がないため、相手が提出したものと思っていても、実際には提出されていなかったというケースが考えられます。
提出時には自身も同行するか、離婚届けが受理されたら役所から「受理証明書」を交付してもらい、提出日を確認するべきです。

【離婚後の氏について】

離婚をすると、婚姻時に氏を変更した人は婚姻前の氏である旧姓に戻ります(復氏)。ただし、離婚後3ヵ月以内に「氏の届出」をすると、婚姻時の氏を使用することができます。3ヵ月という期限がありますので、手続きをする場合は忘れないようにしましょう。
また、妻が離婚後に夫の籍を抜けて、親権により子供を引き取る場合、子供の戸籍は夫の籍に入ったままになります。「氏の届出」をして子と同じ氏になっても戸籍は別のままとなります。戸籍の手続きも忘れずに行いましょう。

【養育費等について】

協議離婚の場合に、養育費の取り決めをせずに離婚してしまうと後々のトラブルの原因となります(厚生労働省の平成26年調査では、母子家庭の約6割が養育費を受けたことがないという結果でした)。養育費の約束をして、協議書面を作成してから離婚に応じるべきです。
また、養育費や慰謝料、財産分与の支払いが滞った場合に、強制的に取立てができる方法をとるべきです。公正証書(強制執行認諾文言付き)を作成しておくと、支払いを命じる判決と同様の効力がありますので、支払いが滞った場合に給与や預金の差し押さえができます。

 

協議離婚時には離婚協議書を作成し、公正証書にしておくと、後々トラブルのあった時に安心できます。離婚協議書の作成は専門家へご相談ください。