公的なリバースモーゲージと金融機関の商品としてのリバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、不動産を担保に老後の生活費の貸付を行う制度で、将来的に空き家になりうる不動産の活用方法としても注目されています。住宅以外に預貯金などの資産がないという方の老後の生活資金として利用されています。

 

「公的」なリバースモーゲージ「不動産担保型生活資金」とは

リバースモーゲージには都道府県社会福祉協議会が実施している公的なものと、民間の金融機関が実施しているものがあります。

公的なリバースモーゲージは貸付金額の上限や金利に関しては民間のものより良い条件となっていますが、利用者自身の貸付のための要件は厳しくなっています(所得が一定以上あると利用できないなど)。これは公的なリバースモーゲージというのは「生活福祉資金貸付制度」の一環であり、不動産担保型生活資金の貸し付けは、高齢者が安定した生活を送れるようにすることを目的としているためです。

それに対して民間のリバースモーゲージは借入金の使い道について制限が無いという契約内容が多く、公的なものとは逆に「年収がいくら以上でないと利用できない」という条件があります。

細かい条件は主体となる都道府県社会福祉協議会ごとに異なりますが、1例として茨城県社会福祉協議会のリバースモーゲージを利用できる対象者の要件を見てみましょう。

利用するにあたっては、以下の(ア)~(カ)の要件すべてに該当する必要があります。

(ア)借入申込者が単独で所有または同居の配偶者と共有している不動産に居住していること(同居の配偶者と共有の場合、その配偶者は連帯借受人となる場合に限る)。

(イ)借入申込者が居住している不動産に賃借権等の利用権及び抵当権等の担保権が設定されていないこと。

(ウ)借入申込者に配偶者または、借入申込者もしくは配偶者の親以外の同居人がいないこと。

(エ)借入申込者の世帯の構成員が原則として65歳以上であること。

(オ)借入申込者の世帯が市町村民税非課税程度の低所得世帯であること。

(カ)借入申込者が居住している不動産の土地の評価額が一千万円以上であること。

※(オ)について、65歳以上の年金受給者の場合、年間155万円以下の受給額であれば非課税となります。

公的なリバースモーゲージは「高齢者が安定した生活を送れるようにすることを目的」としているため、金利等の条件は民間のものより良い条件で借りる事ができます。借入金の使途については民間の商品は自由度が高いものが多くなっています。

 

リバースモーゲージの3大リスク

リバースモーゲージのデメリットとして3大リスクと呼ばれるものがあります。

①長寿化によるリスク
人生的には喜ばしいことと思いますが、長生きしてしまって借入金の限度まで使い切ってしまうリスクがあります。通常リバースモーゲージの元金は一括返済するため、住む家を失ってお金もないという状況になりかねません。

②金利上昇によるリスク
根抵当権を設定して、長期間契約を行うため金利が上昇してしまうリスクがあります。
※ただし、公的リバースモーゲージの場合は先ほどの茨城県を例に取ると金利年3%が上限となっています。

③不動産価値が下落してしまうリスク
不動産の価値が大幅に下がってしまうと、借入たお金を返済できずに借金だけが残ってしまうリスクもあります。

以上が3大リスクと呼ばれるものですが、金融機関では融資の限度額を1年ごとに見直すなどの対策を取っています。デメリットを紹介しましたが、他に担保がなくても自宅に住み続けながら生活費を借りられるというのは非常に大きなメリットです。

よく検討のうえ、計画的に利用が出来ればリスクも軽減できるのではないでしょうか。

 

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