第1種動物取扱業を営もうとする者は、当該業を営もうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事等の登録を受けなければなりません(動物愛護法10条)。
事業所の所在地を管轄する都道府県知事に申請をします。
登録されると、都道府県等の管理する第1種動物取扱業者登録簿に登録され、登録証が交付されます。
動物取扱責任者 【登録時に選任の必要がある】
各事業所ごとに、1名以上の常勤の「動物取扱責任者」を選任する必要があります(動物愛護法22条)。動物取扱責任者は、必要な経験積んでいて、他の職員に対して知識、技術を指導する能力を有する必要があります。登録申請時に選任しますが、登録者本人が動物取扱責任者となっても構いません。必要な経験は以下の通りです。
- 営もうとする種別に応じた半年以上の実務経験があること
- 営もうとする種別に関する知識および技術について、1年以上教育をする学校等を卒業していること
- 公平性および専門性を持った団体が行う試験によって、営もうとする第1種動物取扱業の種別に関する知識および技術を習得しているとの証明を得ていること(1~3まで、施行規則3条1項5号)
犬猫販売業者の特則 【犬猫の販売業者に対する規制】
犬および猫の販売をしようとする業者に対しては、追加規制があるため注意が必要です。
“第1種動物取扱業のうち、犬及び猫の販売をしようとする「犬猫等販売業者」は、登録にあたっては、第1種動物取扱業者としての申請とともに、以下の事項も記載する必要があります(動物愛護法10条3項)。
- 販売の用に供する犬および猫の繁殖を行うかどうか
- 犬猫等健康安全計画
犬猫等健康安全計画について、事前に提出した計画どおりに実施されていない業者に対して、都道府県知事等は、登録の取り消し、業務停止などを行うことができます。
登録拒否事由
第1種動物取扱業の申請をしても、以下の登録拒否事由に該当する場合は、都道府県知事等から登録を拒否されます。
A.人に関する事由 【登録申請者と動物取扱責任者に関する欠格事由】
登録申請者、事業所ごとの動物取扱責任者について、以下の事由に該当する場合には、登録を拒否されます(施行規則2条2項3号)。
- 成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ないもの
- 登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しないもの
- 第1種動物取扱業者が法人であるものが登録を取り消された場合に、その処分のあった日から2年を経過していない場合
- 業務停止を命ぜられ、その停止期間が経過していないもの
- 動物愛護法等の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの
B.動物の適正な取り扱いの確保について
登録の申請をする場合は、営もうとしている業種別に応じて、定められた基準を満たす必要があります。満たすべき基準は以下の通りです(施行規則3条1項)。
- 事業所および飼養施設の建物並びに土地について、事業実施に必要な権限を有していること
- 事業内容が、営もうとする業に応じて、施行規則8条(動物の飼養および保管の方法などについての基準)で定める内容に適合していること
- 動物取扱責任者の配置
- 重要事項説明および動物取扱職員の配置
- 事業の内容および実施の方法からして、必要な飼養施設を有し、営業の開始までにこれを設置する見込みがあること
C.飼養施設の構造・規模・管理について
飼養施設の構造・規模・管理に関する基準に適合していない場合には、都道府県知事は、登録を拒否しなければならないと定められています(動物愛護法12条1項)。
D.犬猫等健康安全計画に関して 【犬猫等販売業者に対する規制】
犬猫等販売業者に対して、その犬猫等健康安全計画が、幼齢の犬猫等の健康および安全の確保並びに犬猫等の終生飼養の確保を図るための基準に適合しない場合に、都道府県知事は、登録を拒否しなければならないと定められています(動物愛護法12条1項)。
E.申請書・添付書類の不備など
申請書または添付書類に虚偽記載がある場合や、重要な事実の記載が欠けている場合については、都道府県知事等は、当然に、登録を拒否しなければならないと定められています(動物愛護法12条1項)。
登録の更新
第1種動物取扱業の登録は、5年ごとに更新を受ける必要があります(動物愛護法13条1項)。
変更の登録
第1種動物取扱業者が、営もうとする業の種別を変更する場合や、飼養施設を設置しようとする場合、犬猫等販売業を始めようとする場合には、事前に都道府県知事に対して、届出をする必要があります。ただし、軽微な変更(施行規則5条4項)等については変更後30日以内の届出でよいと定められています。