転勤などで自宅が数年空き家になってしまう事も考えられます。
空き家の管理については、専門業者に委託または親族等に管理を任せる方法、無償で知人等に貸すかわりに管理をしてもらう方法、定期建物賃貸借契約を結び他人へ貸す方法などが考えられます。
管理業者の利用について
空き家を放置することで、敷地内の雑草の繁茂や防犯上の問題などが発生するおそれがあります。また、適切な管理を怠ったために老朽化が進んでしまい、資産価値の減少も考えられます。このような問題を防ぐために、不動産会社の管理サービスや管理専門業者のサービスが存在します。
月数百円で目視点検のみのサービス
敷地の清掃や玄関ドア、窓などの施錠確認を行う外部管理のサービス
室内の確認、清掃、通水、郵便物の転送などまで行ってくれる内部管理のサービス
などのサービスがあるようです。
使用貸借
使用貸借は民法593条に規定があります。
使用貸借は無料で他人に物を貸す事です。ほとんどの場合は親族間またはかなり親しい知人間での契約だと思います。そのため使用期限や使用目的を明確にしないまま使用貸借が開始される場合が多いかと思いますが、後々のトラブル防止のために使用期限や使用目的を定めておくべきです。
仮に使用期間や使用目的を定めなかった場合でも、貸主からいつでも返還を請求することはできます。
定期建物賃貸借
借地借家法の規定により定期建物賃貸借契約を結ぶ事が可能です。通常の建物賃貸借契約の場合は、契約の更新制度があり、賃貸人からの更新拒絶は正当事由がないと認められませんが、定期建物賃貸借契約の場合は「2年の賃貸借契約」と決めた場合は2年経ったら契約更新されずに終了します(ただし通知は必要)。転勤等で一時的に空き家にする場合には、使い勝手の良い制度になっています。
定期建物賃貸借契約において、以下の要件を満たす必要があります。
- 公正証書による書面等によって契約する
- 契約期間を定める
- 賃貸人の書面による説明義務
※あらかじめ賃借人に対して、契約書とは別の書面で当該賃貸借には更新がなく、期間満了により終了することの説明をする必要があります。この説明がなかった場合は、更新がない旨の特約は無効となってしまいます。
定期建物賃貸借契約の終了
契約の期間が1年以上ある場合には、賃貸人は期間の満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃貸人に対し、「期間の満了により定期建物賃貸借契約が終了する旨の通知」をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができません。この期間が過ぎてしまった後に賃貸人が「期間の満了により定期建物賃貸借契約が終了する旨の通知」をした場合には、その通知の日から6ヵ月を経過した後は、その終了を建物の賃借人に対抗できます。